2026年1月12日。世間では「スキーの日」として、SNSには各地のゲレンデからパウダースノーの報告が流れてきます。
元プロとして雪山に人生を捧げてきた僕にとって、この時期の青空と真っ白な斜面は、毒に近いほどの誘惑です。正直、滑りに行きたい。体が勝手にエッジの感覚を思い出します。
でも、今の僕は板を掴む代わりに、生後7ヶ月の息子の離乳食のスプーンを握っています。
「子供が生まれたから、大好きな趣味を諦めたパパの悲哀」……? いや、そんな湿っぽい話じゃありません。これは、家事・育児・仕事を完璧にこなしつつ、隙あらば雪山もスケボーも全部取りたい僕が選んだ「戦略的日常」の話です。
1. 知ってた?「スキーの日」と、ちょっと強引な「スノーボードの日」
今日、1月12日がなぜ「スキーの日」なのか。 それは1911年、オーストリアのレルヒ少佐が新潟県で日本初となる本格的なスキー指導を行った日だからだそうです。100年以上の歴史がある、まさに日本のウィンタースポーツの原点ですね。
じゃあ、僕らスノーボーダーの日はいつなのか? 調べてみると、1月20日が「スノーボードの日」とされています。
由来:ス(1)ノー(2)ボー(0)ド
……「ちょっと無理やりすぎないか?」と思わず突っ込みたくなりますが(笑)、この自由な感じもスノーボード文化らしくて良いのかもしれません。
あいにく1月20日は平日。復職して12日目、バリバリ働いている真っ最中ですが、もし仕事が奇跡的に早く片付いて、育児の段取りも完璧なら……?なんて、カレンダーを眺めてしまう自分もいます。
2. 「自己との対話」の場。高さ6.5mの壁と20mの滞空時間
かつての僕にとって、雪山は自分という人間を証明するための、最高にシビアな「キャンバス」でした。
- スーパーパイプ: 6.5mを超える巨大な半円筒形の壁。そのリップからさらに数メートル空中に飛び出す時の、心臓の鼓動。
- 20m級キッカー: 道路をまたげるほどの飛距離を飛ぶ巨大ジャンプ台。滞空している数秒間だけ訪れる、奇妙なほどの静寂。
そこにあったのは、他人との比較ではなく、純粋な「自己との対話」でした。一歩間違えれば大怪我に繋がる極限状態で、いかに自分らしく、美しくラインを描くか。
そのヒリつくような感覚を知っているからこそ、今、家の中で過ごす穏やかな時間とのコントラストが、より鮮明に感じられます。
3. 「今は育児」だけど「滑り」も諦めない強欲さ
「今日は子供を見なきゃいけないから、滑りに行けない」
この言葉は、僕にとってネガティブな意味ではありません。「育児は自分が主役でやるもの」というポリシーを持って半年間の育休を過ごした僕にとって、息子と過ごす1日は、雪山での1日と同じくらいクリエイティブで、責任ある仕事です。
でも、僕は「引退したパパ」になるつもりは毛頭ありません。
今シーズンだって、家事・育児・仕事のサイクルの中に「ぽっかりと空いた隙間」を見つけたら、僕は迷わず板を持って雪山へ向かいます。
プロとして活動していた頃のような「毎日滑る」生活はできなくても、限られた時間でいかに質の高い滑りをするか。その「集中力」を養うのが、今の僕の課題です。
4. 「戦略的撤退」という名のライフデザイン
今、この瞬間しか見られない息子の成長を最前線で目撃すること。それは、どんな極上のパウダーを滑るよりも価値がある「今しかできない表現」だと思っています。
そして何より、僕は「今年1年」の話をしていません。
健康でさえいれば、プラマイゼロ
今、無理をして家族に負担をかけて滑りに行っても、家庭の空気が冷え切ってしまえば、来年以降楽しく滑ることはできません。
それに、今は体をしっかり整える時期だと割り切っています。 「今年1年滑れなくても、その分健康に気をつかって、体が動く状態をキープできれば、1年長く滑れる。それなら生涯合計で滑れる回数は変わらない。むしろプラスだ」 そう考えるようにしています。
僕が目指しているのは、息子が大きくなった時に、「パパ、一緒にバックカントリー行こうよ」と言われて、二つ返事で「いいよ、ついてこれるか?」と言い返せる親父でいることです。
そのための20年スパンの人生設計。今日の離乳食作りは、20年後の親子セッションのための、大事な「先行投資」なんです。
5. 1時間の隙間を「スケートボード」で埋める効率化
雪山に行けない日々のフラストレーションを解消し、技術を維持してくれるのがスケートボードです。
- スノーボード: 準備、移動……最低でも半日は必要。
- スケートボード: 板一本持って近所のパークへ行けば、1時間でも濃密に自分と向き合える。
今の僕の基本ルーティンは、「仕事・家事・育児」の三本柱をしっかり回した上で、隙間にスケボーをねじ込むスタイル。 この短時間のセッションが、スノーボードの感覚を鈍らせないための重要なピースになっています。
「今年1年滑れなくても、その分健康に気をつかって、体が動く状態をキープできれば、生涯で滑れる回数は増やせる」
そう自分に言い聞かせながら、日々プッシュ(スケボーで地面を蹴ること)しています。
まとめ:欲張りに、ストロングスタイルに生きる
1月12日、スキーの日。 僕はゲレンデにはいませんが、息子と向き合うこの「ストロングスタイルな日常」を心から楽しんでいます。
スノーボードを諦めたわけじゃない。 むしろ、息子と一緒に滑るという「最高のライン」を描くために、今は自分のライフスタイルそのものをプロデュースしている最中です。
「仕事も、育児も、趣味も、全部欲張りたい」 そう願うすべてのパパたちへ。 チャンスが来たら、いつでも20m飛べる準備だけはしておきましょう。
さて、そろそろ息子のオムツ替えの時間です。 これもまた、僕にとっては負けられない「真剣勝負」の一つ。



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